【哲学する会計3】:名付け方;勘定と仕訳の生成の仕方

固有名は、確定記述に還元されないと、ソール=クリプキは、可能世界意味論を使って、「名指しと必然性」の中で述べている。
固有名にもいろいろある。
今日の分け方では、日本語の固有名詞を、三種類に分ける。
メタファーとしての単一の物の名前 例;ホロン(犬の名前)
シネクドキとしての類の名前 例;ハイブリッドテリア
メトノミーとしての複数の物の名前 例;ホロニックテリア
である。
わかりにくいので、コンピュータの名前で述べよう。
メタファーとしての単一の物の名前 例;ボブ
シネクドキとしての類の名前 例;マッキントッシュ(マック)
メトノミーとしての複数の物の名前 例;iBookG4
となる。
これは、前回の序数と基数の区別にもつながってくる。
会計の財務諸表が、やたらに、わかりにくいのは、数関連語や数詞がついていないからなのだ。量化や集合論の説明なしに、プロセスだけで、意味ではなく、換喩と象徴だけで、説明している。
要は、まず、考えるときに数に名前をつけてやる必要があるのだ。
ドメインネームのように、ユニークで、覚えやすく、処理しやすい名前を。
しかも、計算に役立つ、命名規則を概念区分にそって、考える必要がある。
(まあ、普通の財務諸表ならば、いい感じの勘定の名前がついているから困らないんだけど、公的資金の注入を受けるアメリカの大手金融機関の不良債権の査定なんかやってる人ならば、命名規則の段階から困るのではないでしょうか。野生の思考ではなく、火星の思考の世界が広がっている。ご愁傷様です、残念だが、どうするんだろう)