ネットワーク時代における市場経済と社会

ネットワーク社会論【第七回】
設問:「レッシグハイエクを参考に、ネットワーク時代における市場経済のあるべき姿について400字以内で論じてください。」

自由主義の市場はパレート最適を実現するための最もよい手段だが、自由とパレート最適は両立しない。リベラルパラドックス(最低限の自由でさえも他人社会的厚生を害することなく実現できない状況があること)がある。
最低限の自由とセキュリティは両立しない。アメリカでのアラブ人に対する差別的な取調べなどがその例である。
マトリックスのように、相互に夢を見ていられるアーキテクチャがほぼ完璧に実現すること(レッシグの言う社会の分断)は、反社会的だが、実現できれば主観的な幸福の総量としての厚生は短期的には増加するだろう。
相手を尊重したコミュニケーションをしながら、自由を確保することは根本的にはできないので、法的な手法で規制するしかない。その際に、社会(の安全)を守るか、個人の自由を確保するかは、民主的な決定によって程度が決定される。
あるべき姿は立場によって変わるが、社会を守る立場のほうが強くて多いので、そうなるだろう。

参考リンク:一年前の授業の議論ログ