資生堂uno オーリー・千明、180秒劇場篇

オーランド=ブルームと栗山千明によるShiseido unoの3分間のショートムービーを何度も見ている。

ストーリーとしては、シンプルなボーイ・ミーツ・ガールストーリーである。しかし、幾層にも重ねられた象徴的な記号と、交流関係が、分析の欲求を刺激する。Finding uno(like nemo,neo)といった遊びによってもそのことを製作者は強く意識していることは間違いない。
これは、新しいブランディングと映画内広告の融合のさせ方であると思う。インターネットでの視聴にもうまく対応している。外国での反響にもよるが、unoがグローバルメガブランド化する試金石になるだろう。グローバルなスターの名前を使ったブランディングコマーシャルで、インターネットを使って視聴をかき集めるというのは今後のひとつの主流になっていくはずだ。特に新興国市場への足がかりになる。たぶん。

下敷きになっていると考えるとおもしろいと思われる物語は、パッと思いつく限りで、ジョンとヨーコ、アンドレブルトンのナジャ、ダリとガラ、などが挙げられるだろう。
時間的には現代感があるが、撮影手法がマジックリアリズム的なのと、プラハの歴史地区が撮影場所になっているため、シュールレアリズムの時代と場所(1920年代パリの時空)を想起させる。レトロフューチャーやロストフューチャーみたいな言い方をするならば、シュールレアルフューチャーという感じである。

時間があれば詳細な分析を行うが、物語の分析手法のキーワードとしては、分裂分析(スキゾ分析)と交流分析になる。今度、続きを書こう。