研究計画書:Web上の小売業

1.リサーチクエスチョン
「Web上の小売りビジネスはどうしたら儲かるのか?」

2.分析フレームワーク
Web上でものを売る実店舗なしの小売業を中心に取り上げる。クリック&モルタル(実店舗ありの企業や零細店舗群)/マーケットプレイス系(オークション・モールなど)/メーカー直販については、既存研究と最近の戦略を概説するに止める。
販売管理費低く、スケールメリットがあるため、安値で多売することが可能であり、そのため利益率が高いということが、今までのネット上の小売業について言われていた。しかし、それを実現するメカニズムは多様であり、明確に記述されていない。また、ネットバブル崩壊以降、ブロードバンド化の進展でここ3年ほどで大きく変化してきた。ただ単にネット上でものを売る事業は大きく成長しなかった企業が多い。スケールメリットを生かせる規模にまで成長したものは、どのようなビジネスモデルとそれを実現するメカニズムをもっていたのだろうか。
ネット上の小売業では、在庫を抱えないでもすむために、利益率が上がる。この点に着目して、分析を行いたい。その際には、物流・商流・情報流・注目流を整理し、ビジネスモデルを分析する。

3.参照先行研究
ビジネスモデル論、特に日本のネット企業関連の研究を参照する。(国領二郎、根来龍之、小川進など)また、米国の研究を前提に、欧州の研究も見ておく。米国の研究では、特殊な投資環境のもとで、きれいなビジネスモデルを大きく作りあげているものの分析が多く、日本でのビジネスモデル構築・戦略策定には応用しにくいため、参考にとどめる。むしろ、米国企業の日本法人をとりあげたい。
4.調査方法と計画
ネットプライス・アマゾンジャパン・一部通販会社などに対して、公開資料渉猟・財務分析・インタビューを行い、最近のWeb上の小売りビジネスのビジネスモデルを記述

5.ネットプライスを調べて、おもしろかったポイント
(公開資料+インタビュー)
・在庫を抱えないビジネスモデル
原理的には、在庫がなくてもものを売ることができる。商品の写真を見せて、客の注文をまとめて、卸業者に発注し客に届けるという業態である。
cf : アマゾンジャパン、一部通販会社、格安航空券、デルジャパン
・一週間ごとに商品入替
一週間ごとに商品を入れ替えるために様々なことが最適化されている。週刊誌のように、カメラマンやライターを抱えて、ルーティンで一週間ごとに回す。提携サイトも自社人員で運営している。そのことによるスピードを生かし、売れ筋を把握し、売れ筋商品のPB開発も行う。