情報の文明学

第三週目輪講課題『情報の文明学』

文明論は精神分析と似ている。アナロジーと推論をもとに自画像を描き出す。その正しさは、正しいと思う人がどれだけいるかによって決まる。社会科学における再帰性の問題が、人文学的なイメージの操作においては、より直截的に表れる。
思考に情報環境を取り込んだ・コンピュータメディアで拡張された人格の増大によって、社会の自画像が変化する。この文明が情報文明かそれに類するものであるとの認識はしばらく続くだろう。
情報技術を基にした文明構築は、生産を効率化し、芸術や宗教を育むための余剰を増やす。希少なのは新奇性と個人の時間である。生産から芸術へ従事する人がシフトしていく。合目的的な幸福のための情報ではなく、超越や平穏を得られる情報を生産するビジネスが拡大する。新しい芸術と宗教が多くの人を救うことを願う。